エコと数字のはなし(1) 〜 夏のエコはエアコンから
昨年実施したエコアンケートでは、「実践中の(またはやってみたい)エコ(省エネ対策)を実施したら、どれぐらい効果があるのか教えて!」といった回答が多く寄せられました。そこで、ここでは【エコと数字のはなし】として、皆さんが気になるエコとそれによる効果量を、環境性・経済性などの面から見ていきたいと思います。
近年の「COOL BIZ」を始めとする省エネ対策を推す動きは盛んです。でも最近は、職場だけでなく、自宅でもエアコンが手放せなくなってきました。そこで今回は、冷房期のエアコン使用における省エネ効果を取り上げます。
(1)外気温度31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から28℃
にした場合、
年間で電気30.24kWhの省エネ
→ 約670円の節約、CO2量 13.7kgの削減
(2)冷房を1日1時間短縮した場合(設定温度:28℃)
年間で電気18.78kWhの省エネ
→ 約410円の節約、CO2量 8.5kgの削減
(以上、(財)省エネルギーセンター「家庭の省エネ大辞典」より)
こうして数字で見てみると、1年間に得られる効果が少ないような気もしますが、さにあらず。これが、仮に東京都全世帯で取り組んだら、どうなるでしょう。まず、都内のエアコン台数を試算します。
都内世帯数 6,296,239世帯(*1)
× エアコン普及率 88.6%(*2)
× 1世帯保有数量 2.56台(*2)
≒ 1428万台
(1)と(2)の効果とこの台数を積算すると、消費電力は約70億kWhの削減、CO2削減量は約32万トンにもなり、そのCO2量を1年間に杉の木が吸収する量(*3)に換算すれば、なんと2265万本分にもなるのです!(イラストイメージ参照)
一人の努力ではたいしたことではないように思われますが、やはり「ちりも積もれば山となる」というように、皆さんで協力して、大きな成果を得たいですね。そこで、前出の「家庭の省エネ大辞典」では、「快適空調のコツ」として冷房時の工夫をあげています(図参照)。新宿パークタワーでも同じことが言えますが、ロールブラインド(カーテン)等も有効活用して、省エネだけど快適な夏の室内空間を作り出してみませんか?
(*1) 東京都総務局統計部「住民基本台帳による世帯と人口」より(数値は2010年4月1日現在)
(*2) 内閣府経済社会総合研究所「家計消費の動向」より(数値は2007年)
(*3) 環境省/林野庁「地球温暖化防止のための緑の吸収源対策」(数値は平均CO2吸収量:14kg/本・年)