世界的デザイナー・コシノジュンコ氏の
こだわりが詰まったユニフォーム
2024.08
インフォメーションスタッフユニフォームのリニューアル
2024年4月25日よりリニューアルした、インフォメーションスタッフのユニフォーム。そのデザインを手掛けたのは、世界的デザイナーのコシノジュンコ氏。コシノ氏は2024年4月に開業30周年を迎えた新宿パークタワーのアニバーサリー・プロジェクトのプロデューサーとして、斬新なアイデアで特別な1年を華やかに盛り上げています。
今回はコシノ氏に新宿パークタワーとのつながりや、新しいインフォメーションスタッフのユニフォームのデザインに込めた思いなどについてお話を伺いました。ユニフォーム完成までの裏側もご紹介します!
コシノジュンコ氏 インタビュー
ずっと色褪せない、特別な場所。
新宿パークタワーができる前の、東京ガスの丸いガスホルダーを知る私にとって、東京都庁の設計も手掛けた丹下健三氏によるセンセーショナルな高層ビルは衝撃的でした。上層階に高級ホテルを開業したことも当時はとても斬新で、「好きな場所はどこ?」と聞かれたら、「パークハイアット 東京!」と答えるくらい大好きな場所。数々のショーを、このホテルを舞台に開催してきました。「ニューヨーク グリル」のある52階へエレベーターで上がって、ドアが開いた瞬間の気持ちよさは何年経ってもそのまま。本当に良いものは、永遠に色褪せないもの。それに値する場所であり、今も魅了され続けています。そんな、開業当初からご縁のある、特別なビル。新宿パークタワーを運営する東京ガス不動産の穴水会長や社員の方々とも親交を深める中で、チャーミングな人柄や建物とそこで働く人々を見守る誠実な姿勢に触れ、ますます縁を深めていきました。今回、インフォメーションスタッフのデザインという私の本来の役目で新宿パークタワーと関わることができ、とても嬉しく感じています。
クールでモダンなビルで、「躍動する色」となるユニフォーム。
新宿パークタワーといえば、巨匠・丹下健三氏が手掛けた直線的なデザイン。随所に散りばめられた多角形のモチーフなど、丹下氏の特長である、シンメトリーだけど心地良い「アンバランスのバランス」の思想をもとに、建築の延長としてユニフォームのデザインを考えました。行き交うワーカーのモノトーンの装いや無彩色の空間の中で、インフォメーションスタッフが「動く色」になれたら。ワーカーの皆さんとの交流を大切にしてきた新宿パークタワーの温かさや、人の活気を色で表現したいと思いました。春夏は涼しげなブルーで、秋冬は温かみのある赤を黒で引き締めて。また、インフォメーションは広いロビーの真ん中にあり、スタッフも多くて2~3人。広い空間かつカウンター越しでも、生き生きとした存在感のあるデザインにもこだわっています。大胆な切り替えやジャケットとワンピースの斜めのカットは、新宿パークタワーを象徴する三角形のデザインをイメージ。シャープなシルエットやラインを活かしつつ、機能性も両立させるためにポケットの位置にも工夫を凝らしました。前から見ても後から見ても目を引くデザインで強さを、動きに合わせて表情が変わるシルエットと生地で女性らしさを。モダンな新宿パークタワーの顔にふさわしい、凛とした美しさをユニフォームで表現しました。
新しいユニフォームを着るインフォメーションスタッフが、周囲から注目されることで所作がさらに磨かれて自信が持てたり、仕事をもっと楽しめたり。そして、インフォメーションスタッフのユニフォームという身近なところから、ワーカーの方々やビルに「何かが変わる」ワクワク感を与えられたらと願っています。
アーティストが憧れる、新宿パークタワーになってほしい。
新宿パークタワーは、私が通っていた文化服装学院などファッションやモードにゆかりも深いエリアにあり、アートやカルチャーに対する理解度が高いビルだと思います。2024年秋、1階のアトリウムでファッションショーを開催する予定です。これまで体育館などさまざまな場所でショーを手掛けてきましたが、オフィスビルでの開催は初めての試み。吹き抜けで、いろんな所から見られるアトリウムでどんなショーができるのか、今から楽しみです。これからも、様々なイベントを通じて、新宿パークタワーの持つ「廃れないかっこよさ」を次の時代につないでゆきたい。そして、新宿パークタワーが、デザイナーやアーティストが表現を発信する時の、理想の場所となっていってほしいですね。
制作の過程も特別だった、リニューアルの裏側。
「身に着けるものって、自分の応援団みたいなもの」というコシノ氏の言葉に心を打たれたと語る、東京ガス不動産営業部の中村さんと伊藤さん。長きにわたってパークハイアット 東京を愛してくださり、このビルへの造詣が深いコシノ氏ならイメージを理解してくれる、とデザインを依頼したそう。
お二人が、ユニフォームリニューアルの過程で印象的だったと話すのは、コシノ氏のデザインへのこだわりときめ細やかさです。特徴的なワンピースのシルエットとジャケットを羽織った時のバランスは、デザイン画のイメージ通りになるまで、コシノ氏が出張先や移動中でも時間をつくって何度も調整を行いました。さらに、コシノ氏はスタッフを自身のブティックに招き、業務中の動きやポケットに何を入れるかなどを丁寧にヒアリング。美しさだけでなく、スタッフが着用する際の心地良さまで考慮したデザインとなっています。スタッフ一人ひとりを採寸した、既製品とは異なるサイズ展開など、まるでオートクチュールのような繊細な工夫が施された特別なユニフォームです。
「軽くて着心地がよく、歩いた時にきれいに見えるのがお気に入り」「素敵なユニフォームだね!とお客様から声をかけていただくことが増えた」と、ユニフォームを着るインフォメーションスタッフ達も嬉しそう。新宿パークタワーに訪れた際は、ぜひインフォメーションスタッフのユニフォームにも注目してみてください。